なんでしょう?「左尊右卑」。
「さそん・うひ」と読みます。
左が上位(尊)で、右が下位(卑)という意味です。
左とは、神さまから見て左。
人間から見たら向かって右。
右とは、神さまから見て右。
人間から見たら向かって左です。
◆
したがって、
人間から神棚を見たときの順位は
(神さま)
3 1 2
(人間側)
となります。
中央は「正中(せいちゅう)」といって第1位、
続いて、
向かって右(神さまから見て左)が第2位
向かって左(神さまから見て右)が第3位です。
◆
理屈としては
「天子南面す」ということばがありますが
天体の中心軸である北極星を上座として
【北】
(神さま)
【南】
という風に
神さまは北に鎮座して南を向きます。
だから
神社は基本的に南向きに建ちます。
(一部、東向きの神社もあります)
そして、
東は太陽の昇る方角、
西は太陽の没する方角。
よって、
【北】
【西】(神さま)【東】
【南】
の位置関係にしたがって、「西<東」の順位となります。
これが「(西)3 1 2(東)」の意味です。
◆
ひな人形で
右大臣(うだいじん)と左大臣(さだいじん)は
どちらが上位か?
これも同じ理屈で
「(下位)右大臣 < 左大臣(上位)」です。
神さま側から見て左だから
左大臣は人間から見て右に来ます。
◆
おい、ちょっと待て!
天皇陛下、皇后陛下が写真撮影をされる時は
(天皇陛下)(皇后陛下)の順で並ばれるではないか。
それなら
(天皇陛下)<(皇后陛下)の順位になるではないか。
と、
思いますよね。
これは近代に入って
西洋の並び方を日本が真似してそうなった、
という意味ですので、
古式にならえば
(皇后陛下)(天皇陛下)の並び順が正統になります。
◆
尚、
西洋式で(天皇陛下)(皇后陛下)の並び順になるのは
(天皇陛◎下)(皇后陛下)
◎の位置に天皇陛下の心臓が位置する、ということで
ならず者の侵入から天皇陛下の心臓をお守りするという目的で
向かって右側に皇后陛下が立たれる、という説があります。
◆
本来の話に戻りましょう。
もう少し例を出しますが、
正中が無い場合は
2 1
4 3
とか、
数が多い場合は
5 3 1 2 4
とか。
◎正中は常に上位
◎向かって右(神さまから見て左)が上位
いずれにしても、
「左尊右卑」ということばを知っておくだけで
このあたりの順位を理解しやすくなります。