左尊右卑

なんでしょう?「左尊右卑」

「さそん・うひ」と読みます。
左が上位(尊)で、右が下位(卑)という意味です。

左とは、神さまから見て左。
人間から見たら向かって右。

右とは、神さまから見て右。
人間から見たら向かって左です。

したがって、
人間から神棚を見たときの順位は

(神さま)

3 1 2

(人間側)

となります。

中央は「正中(せいちゅう)」といって第1位、
続いて、
向かって右(神さまから見て左)が第2位
向かって左(神さまから見て右)が第3位です。

理屈としては

「天子南面す」ということばがありますが
天体の中心軸である北極星を上座として

 【北】

(神さま)

 【南】

という風に

神さまは北に鎮座して南を向きます。

だから
神社は基本的に南向きに建ちます。
(一部、東向きの神社もあります)

そして、

東は太陽の昇る方角、
西は太陽の没する方角。

よって、

    【北】

【西】(神さま)【東】

    【南】

の位置関係にしたがって、「西<東」の順位となります。

これが「(西)3 1 2(東)」の意味です。

ひな人形で
右大臣(うだいじん)と左大臣(さだいじん)は
どちらが上位か?

これも同じ理屈で
「(下位)右大臣 < 左大臣(上位)」です。

神さま側から見て左だから
左大臣は人間から見て右に来ます。

おい、ちょっと待て!

天皇陛下、皇后陛下が写真撮影をされる時は
(天皇陛下)(皇后陛下)の順で並ばれるではないか。

それなら
(天皇陛下)<(皇后陛下)の順位になるではないか。

と、
思いますよね。

これは近代に入って
西洋の並び方を日本が真似してそうなった、
という意味ですので、

古式にならえば
(皇后陛下)(天皇陛下)の並び順が正統になります。

尚、
西洋式で(天皇陛下)(皇后陛下)の並び順になるのは

(天皇陛◎下)(皇后陛下)

◎の位置に天皇陛下の心臓が位置する、ということで
ならず者の侵入から天皇陛下の心臓をお守りするという目的で

向かって右側に皇后陛下が立たれる、という説があります。

本来の話に戻りましょう。

もう少し例を出しますが、

正中が無い場合は

2 1
4 3

とか、

数が多い場合は

5 3 1 2 4

とか。

◎正中は常に上位
◎向かって右(神さまから見て左)が上位

いずれにしても、
「左尊右卑」ということばを知っておくだけで

このあたりの順位を理解しやすくなります。