【春】豊作を願う「祈年祭」
きねんさい:2月17日
【秋】収穫に感謝する「新嘗祭」
にいなめさい:11月23日
祈年祭と新嘗祭は
ワンセットだと思って下さい。
◇
「きねんさい」は音読み(漢語)で
訓読み(和語)では「としごいのまつり」。
「とし」は「年」であり
「稔」と書いても「とし」と読む。
「稔」は「みのり」とも読みます。
「みのり」を得る周期を「とし」と呼ぶ訳です。
つまり、
一年間の稔り(年)を乞う(祈)から「祈年祭」。
厳格な神職さんには
音読み(漢語)では本来の趣旨が分からなくなるから
必ず訓読み(和語)で発音するように
とおっしゃる方もいます。
◆
祈年祭の祝詞を見てみましょう。
(文頭)掛介麻久母畏伎・・・
(文末)・・・恐美恐美母白須
で
(文頭)掛けまくも畏き・・・
(文末)・・・恐み恐みも白す
平仮名に直すと
(文頭)かけまくもかしこき・・・
(文末)・・・かしこみかしこみもまをす
こんな感じです。
◆
祈年祭の祝詞の中に
「豊介伎秋乃御祭厳志久美波志久仕奉良志米給閉登」
とあります。
なんのこっちゃ、ですが
「豊けき秋の御祭厳しく美はしく仕奉らしめ給へと」
意訳すれば
「秋の新嘗祭を豊かに厳かに、立派に執り行えますように」
と、祈年祭の段階で
秋の新嘗祭に向けてのビジョンを描いているのですね。
これを「型(かた)をつくる」といいます。
思い描いたことが実現する。
これが言霊(ことだま)です。