大麻とケガレ

私が小学生の頃、
「エンピ」という遊びが校内で流行っていました。

トイレから出てきた男子生徒は汚い印象がある。

そこで突然、誰かが「ケガレ」をはやし立てて

その「ケガレ」を別の誰かにタッチしてうつす。

うつされた側は別の誰かにタッチする。

タッチをすれば自分の持っていた「ケガレ」は消える。

他の子どもは「ケガレ」をうつされないように
「エンピ!」「バリア!」と叫んだり

指を交差させるポーズをとれば防御できる。

「エンピ」は地域言葉で、
「エンガチョ」の方が有名かもしれません。

「穢(え)・縁(えん)をチョン切る」から「エンガチョ」。

この「エンガチョ」、歴史は古く
平安時代には既に出現していたようです。

さて、
「ケガレ(穢れ)」は誰か(ヒト・モノ)にタッチすれば
うつすことが出来るという仕組み。

これを利用した道具が
「大麻(おおぬさ)」です。

神主さんがワシャワシャと
ハタキのような棒を振っている。

それが「大麻」です。

大麻(おおぬさ)は

木の棒に紙垂(しで=雷型に折られた和紙)を
たくさんぶらさげて

最後に麻のひもを中央に垂らして
頂部をしばります。

完成品がこちら。
https://bit.ly/3qcRT3j

本来の大麻は
木の棒と和紙でつくるのではなく

榊(さかき)などの常緑樹の枝でつくります。
枝に麻を一本垂らして完成です。
https://bit.ly/3rg9B7d

これを一回使ったら、穢れの溜まった大麻は捨てる
また新しいものを使ったら、すぐ捨てる。

これが大麻の本義です。

しかし、
あまり捨ててばかりいると森林破壊になるということで

常設の大麻で勘弁してもらおう、というのが
今日の大麻なのです。
https://bit.ly/3qcRT3j