祓詞(はらえことば)
掛けまくも 畏き 伊邪那岐大神
(かけまくも かしこき いざなぎのおほかみ)筑紫の 日向の 橘の 小戸の 阿波岐原に
(つくしの ひむかの たちばなの をどの あはぎはらに)禊ぎ 祓へ 給ひし時に 生り坐せる 祓戸の大神たち
(みそぎ はらへ たまひしときに なりませる はらへどのおほかみたち)諸々の 禍事 罪穢れ あらむをば
(もろもろの まがごと つみけがれ あらむをば)祓へ給ひ 清め給へと 白すことを 聞こし召せと
(はらへたまひ きよめたまへと まをすことを きこしめせと)恐み恐みも 白す
(かしこみかしこみも まをす)
<現代語訳>
口に出して言うことも恐れ多い
国土万物を生んだ男神である伊邪那岐の大神が
筑紫にある日向の橘という所の
小さな水門のそばにある阿波岐原で
身の罪や穢れを水に漬かって洗い清め
災難などを除き清めなさった時にお生まれになった
祓戸という祓えをするための場所を守る四柱の立派な神々が
すべての悪いこと災いを招くこと
さらには不浄なことが起こったとしたら
それらを除いてくださり清めてくださいと
祓戸の神々に申し上げることを祓戸の神々はお聞き入れくださいと
恐れ多い恐れ多いと思って祓戸の神々に申し上げます。
※参考文献『現代人のための祝詞』(右文書院)
◆
6月・12月の大祓でおなじみ、祓戸四柱の神。
「祓い」はストーリーで理解しましょう。
1. 瀬織津比売(せおりつひめ)
→山の上に集めた罪穢れ。川を下らせ海へ流す
2.速開都比売(はやあきつひめ)
→海水面に流れてきた罪穢れ。水面で口を開き、海中に向かってゴボゴボと飲み込む
3.気吹戸主(いぶきどぬし)
→海中にただよう罪穢れ。海底のはるか底の国に向かってフゥーと息吹いて押し放つ
4.速佐須良比売(はやさすらひめ)
→根の国・底の国に押し放たれた罪穢れ。流浪の神がどこへやら持ち去り消滅させてしまう